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拡大する水素経済 米国·中東「水素が生き残る道」宣言。

「水素経済」覇権を獲得するための世界主要国間の競争が熾烈だ。 世界最大のエネルギー生産国で消費市場の米国は自国内の石油·ガス企業に水素産業合流まで注文しながら督励している。 欧州の主要先進国も水素経済構築に拍車をかけている中、富裕な中東産油国は天文学的な「オイルマネー」を水素エネルギーに注いでいる。

業界によると、ジョーン·バイデン米大統領の環境·エネルギー分野での「口」の役割を果たしてきたジョン·ケリー気候特使は2日、世界最大のエネルギーフォーラム「セラウィーク」で、「水素産業の競争は始まったばかりで、米国の石油·ガス企業は水素生産·運送に対する”巨大な機会”を受け入れなければならない」と述べた。

グローバル水素産業界はケリー特使の発言について、バイデン米大統領が自国の大型石油·ガス会社の水素事業進出を事実上指示したも同然だと解釈する。 米国は02年、いち早く水素エネルギービジョンを示したが、先のトランプ政府発足後、水素産業の競争から取り残された。

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欧州連合(EU)や日本など、水素産業を先導する国々も、水素経済の構築に拍車をかけている。 水素経済への転換基盤がしっかりしているEUは昨年7月「水素戦略」を発表し、2050年まで「炭素中立」に向け、エネルギーシステムを水素中心に統合するというビジョンも提示した。 このため、EUは24年までに現在1ギガワット(GW)水準の水素発電設備を6GW、30年までに40GWに増やす方針だ。

特にEUは全体エネルギー使用で2-3%である水素の比重を2050年までに14%に拡大する予定だ。 日本は2014年の水素経済への転換を公式化した後、水素充電所900ヵ所の建設や燃料電池発電機530万台の供給などを推進している。

すでに「水素崛起」を明らかにした中国の場合、2030年までに水素自動車100万台普及とともに充電所1,000台を設置する計画だ。 このため水素自動車に対する購買税(10%)を免除し、北京、上海、広東省、大連を水素産業の4大拠点に定めた。 ここでは水素バスや燃料電池、発電用燃料電池を育成し、研究開発(R&D)の力量も強化する予定だ。

中東の産油国も水素経済に「オールイン」するのは同じだ。 サウジアラビアでは、実権者のムハンマド·ビン·サルマン皇太子が先頭に立って水素エネルギー事業を拡大している。 ビンサルマン皇太子は自国内の新都市であるネオムに世界最大規模(ソウルの43.8倍、2万6,500平方キロメートル)のグリーン水素生産施設の建設を推進している。 25年からグリーン水素を1日平均650トン生産することを目標にしている。 サウジはこのプロジェクトに約6兆7,050億ウォンの予算を策定している。

アラブ首長国連邦(UAE)の二大土侯国のうちの一つであるアブダビは国富ファンドを前面に出し、年間50万トン規模の水素エネルギー生産基地を建設する計画だ。 またドイツのジーメンスエネルギーと提携し、「炭素ゼロ」新都市として建設中のマスダル新都市にグリーン水素モデル工場も建てる予定だ。

世界各国がこのように水素市場の競争に続々と合流している理由は、限りない潜在成長性のためだ。 グローバルコンサルティング会社、マッケンジーによると、2050年、世界の水素経済規模は2,940兆ウォンに達し、雇用は3000万件(累積基準)以上と試算されている。 エネルギー市場調査会社のブルームバーグNEFは「既存5%未満の水素エネルギー消費の割合は25年には25%まで増える可能性がある」と見通した。

特に、世界最大エネルギー消費市場の米国が水素産業に参入する場合、市場価値はさらに大きくなるものと観測される。 ある国内水素メーカー関係者は「巨大消費市場を持つ米国が本格的に水素産業競争に跳び込めばグローバル水素経済構築がずっと早くなる」とし「競争国が重点投資する分野をよく把握すれば国内水素関連企業の輸出戦略を高度化できる」と述べた。